LB38


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ありません

何時だと思う、君 相変らず春風影裏に電光をきってるね それも最初の三四十目は、石の並べ方では別段目障りにもならないが、いざ天下わけ目と云う間際に覗いて見ると、いやはや御気の毒な有様だ。 よし水の面にからだが浮いて、浮いた所から思う存分前足をのばしたって五寸にあまる甕の縁に爪のかかりようがない。 気は焦るが、足はさほど利かなくなる。 珠磨りの名人理学士水島寒月でさあ 寒月君はにやにやと笑う。 すると独仙君は例の通り山羊髯を気にしながら、のそのそ弁じ出した。 ダンビラを畳の上へ刺して無理に人の金銭を着服するのが強盗で、おどし文句をいやに並べて人の意志を強うるのが探偵だ。 そうだろう君のかいたものは僕にわからなくなる、僕のかいたものは君にわからなくなった日にゃ、君と僕の間には芸術も糞もないじゃないか これに反して東洋じゃ昔しから心の修行をした。 やはり英国のある兵営で聯隊の士官が大勢して一人の下士官を御馳走した事がある。 すると独仙君は例の通り山羊髯を気にしながら、のそのそ弁じ出した。 ある日藤さんが散歩に出たあとで、よせばいいのに苦沙弥君がちょっと盗んで飲んだところが……